あの人は今　元ソフトバンク・周東佑京さん(27)

あの人は今　元ソフトバンクホークス・周東佑京さん(27)

2023年、プレミア12。それをテレビで見つめる男がいた。2017年にソフトバンクから育成指名を受け、2019年には支配下登録を受けた周東佑京さんだ。
「僕が侍デビューをしたのはこの大会ですね」若き日を思い出す周東の目には寂しさが翳っていた。
「あの大会の前の練習試合で僕、侍ジャパン初盗塁を決めたんですよ」

周東さんは足のスペシャリストとしてソフトバンクの貴重な戦力となり、2020年シーズンには盗塁王を獲得した。しかしアキレス腱断裂の大怪我の後、盗塁王は再起を見ることなく戦力外通告を受けた。
「僕は元が育成契約の身。ここからプロで少しでも活躍できたのは嬉しいし、誇りに思っています。あの怪我がなければ、と思うこともありましたが今はもう気にしていません」

今はソフトバンクの系列の少年野球チームで野球を教えている周東さん。
「子供たちは足について聞いてきますが、まずは基礎から教えています。打たないと、足を怪我した途端僕みたいになっちゃいますからね(笑)」

育成契約から這い上がったヒーローが、またソフトバンクのユニフォームを着て、paypayドームに訪れる日は近いかもしれない。
(写真)野球を教える周東さん(右)。左は内川二軍監督。