岩隈「あ、あぁ~ッ!」 1-0、3-1、3-4×
ドミンゴ「はい、今日の炎上は終わり。お疲れさまでした」
岩隈「うぅ……あ、ありがとうございました……」
数週間前、念願の2年連続開幕投手に指名されたのだが、『開幕戦なので完投は無理なのでは』
という懸念の声があり、結果、ドミンゴちゃんが定期的に守護神として9回をシコシコしてくれるようになった。しかしドミンゴちゃんはなんだか岩隈のことがキライみたいで、いつもいつも陽気に9回大炎上して、勝ち星ナイナイなのだった
岩隈「トホホ……ドミンゴちゃん直球は速いのに制球はバラバラなんだから……あーあ、どうにかして巨人に移籍できないかな~、ん?」
室内練習場から明かりが漏れている。
ドミンゴ「よいしょ……よいしょ……」
岩隈(ど、ドミンゴちゃんが、室内練習場で走塁の練習をしている!?)
ドミンゴ「ふぅ……こんなものですかね……。もっと点が入るように頑張らないと……」
岩隈「ドミンゴちゃーん!」 バターンッ!
ドミンゴ「ひゃあッ!?」
岩隈「ド、ドミンゴちゃーん! ごめんよーッ! ドミンゴちゃんは毎日チームのために自慢の足を生かした走塁の練習してたのにワイはそんなことも知らずに……ッ!ハフッ!ハフッ!ドミンゴちゃんの負け運の匂い!」
ドミンゴ「ど、ドサクサにまぎれて匂いを嗅がないでください!」
岩隈「ご、ごめんねドミンゴちゃん……!」
ドミンゴ「べ、別に、走塁練習するくらい普通です……。それが私のお仕事なんですから……。それに、私は下手で、あんまりセーブ機会で3点以下にすることできないから」
岩隈「そ、そんなことあるよ! ドミンゴちゃんのその気持ちだけではワイは納得できないんだよ! あっ、そ、そうだ! ドミンゴちゃんおてて出して!」
ドミンゴ「こ、こうですか?」
岩隈「そう! それじゃあ今から契約更改するからね! ドミンゴちゃんのやわらかおててに契約書ドッピュするからね! ちゃんと受け止めてね!」
ドミンゴ「えっ、えっ?」
岩隈「ウオーッ! ドミンゴ! ぷにぷにおててに出すぞ!」ドピュドピュドピューッ!
ドミンゴ「ひゃあッ!」ビシャーッ
岩隈「くっ、ふぅ……! す、すっごい真っ白いのが出たぁーッ!」
ドミンゴ「ほんとうです……で、でもなんで字が消えたんですか……?」
岩隈「それはね……ワイの気持ちが、楽天フロントに伝わったからだよ! ドミンゴちゃんの9回を抑えられない能力のなさがね!」
ドミンゴ「私の能力のなさ……」
岩隈「そう! つまりだね、君の未来はまだ決まってないということ、誰のでもそうだ! 未来は自分で切り開くものなんだよ、だからみんな頑張るんだ、一人でな!」
ドミンゴ「み、未来って……はわわ……あ、あの……もうちょっとだけ、練習に付き合ってもらってもいいですか?」
岩隈「嫌だよ!」
その後、岩隈は一年中ドミンゴちゃん及び楽天リリーフに勝ち星消され続けて21勝しかできないほど疲弊した。
でもまぁ、その次の年のCSで、福盛ちゃんが4点リードの9回裏に5失点したので結果オーライ! 終わり