ワイ「ち、中日ちゃん！　これ以上負けないで！」　中日「うるさいですね……｣ｽｶｽｶｽｶ

ワイ「あ、あぁ～ッ！」　パカンパカンパカンーッ！

中日「はい、今日の試合は終わり。お疲れさまでした」5-6

ワイ「うぅ……あ、ありがとうございました……」

数週間前、念願のペナントレースが開幕したのだが、『プロばかりのセリーグでドラゴンズを野放しにすると皆にやられるのでは』
という懸念の声があり、結果、中日ちゃんが定期的にセの球団に白星をポロポロしてくれるようになった。しかし中日ちゃんはなんだか
ファンのことがキライみたいで、いつもいつも不愛想にオチシンボコボコして、中日シタイミタイなのだった。

ワイ「トホホ……中日ちゃん弱いのに若手シコシコはイタイイタイなんだから……あーあ、どうにかしてハメちゃんの白星ピュッピュをナゴドにて自分達のものにしてもらえないかな～、ん？」

ドベなのに中日ちゃんのベンチから明かりが漏れている。

中日「よいしょ……よいしょ……」

ワイ（ち、中日ちゃんが、ナゴドのベンチで山田を相手にトリプルスリーの練習をしている！？）

中日「ふぅ……こんなものですかね……。もっと気持ち良く打ってもらえるように頑張らないと……」

ワイ「中日ちゃーん！」　バターンッ！

中日「ひゃあッ！？」

ワイ「チ、中日ちゃーん！　ごめんよーッ！　中日ちゃんは毎日山田のためにど真ん中しこしこの練習してたのにワイはそんなことも知らずに……ッ！
ハフッ！(投手)ハフッ！(投手)　中日ちゃんの2軍上り中継ぎいい匂い！」

中日「ど、ドサクサにまぎれて若手でシコらないでください！」

ワイ「ご、ごめんね中日ちゃん……！」

中日「べ、別に、ど真ん中しこしこ練習するくらい普通です……。それが私のお仕事なんですから……。それに、私は下手で、あんまり気持ちよく打ってもらえないから」

ワイ「そ、そんなことないよ！　中日ちゃんのその気持ちだけでワイは十分ファン辞めたいいんだよ！　あっ、そ、そうだ！　中日ちゃん鈴木出して！

中日「こ、こうですか？」1点差の場面

ワイ「そう！　それじゃあ今からマルニーするからね！　雅人ちゃんのやわらかミットにドッピュするからね！　ちゃんと受け止めてね！」

松井「えっ、えっ？」

ワイ「ウオーッ！　中日！　ぷにぷにベースに出すぞ！」四球四球四球ーッ！

バレ「ひゃあッ！」パカーッン

ワイ「くっ、ふぅ……！　す、すっごいデカいのが出たぁーッ！」

中日「ほんとうです……で、でもなんで……？」

ワイ「それはね……中日ちゃんの気持ちが、ワイに伝わったからだよ！　中日ちゃんの他人を思いやる優しさがね！」

中日「私のやさしさ……」

ワイ「そう！　だから、勝敗なんて、二の次なんだよ！　トリプルスリーしこしこは、贔屓チームの人にやってもらうより、好きな選手にやってもらうのが一番気持ちいいんだよ！」

中日「す、好きって……はわわ……あ、あの……もうちょっとだけ、中日に付き合ってもらってもいいですか？」

ワイ「むり！」
その後、中日は一シーズン中ヤクちゃんの山田に被弾を続けて次の年の開幕は立ち直れないほど疲弊していた。
でもまぁ、その日以来、9回1点差をするとき森ちゃんが耳元で「田島です」とつぶやいてくれるようになったので結果オーライ！　終わり