ワイ「あ、あぁ~ッ!」 トライリケツダンーッ!
サンスポ「はい、今日の記事は終わり。お疲れさまでした」
ワイ「うぅ……あ、ありがとうございました……」
数週間前、念願のFA権を行使したのだが、『マスコミばかりのチームで若い男を野放しにすると皆成績が落ちるのでは』
という懸念の声があり、結果、サンスポちゃんが定期的に謎の関係者から記事をカキカキしてくれるようになった。しかしサンスポちゃんはなんだか
ワイに虎入りを決断してほしいみたいで、いつもいつも不愛想にトライリケツダンケツダンして、頭イタイイタイなのだった。
ワイ「トホホ……サンスポちゃんまだ決断してないのにFAの記事はトライリトライリなんだから……あーあ、どうにかしてサンスポちゃんの記事カキカキをやさしくて気持ちいものにしてもらえないかな~、ん?」
深夜なのにサンスポちゃんの社内から明かりが漏れている。
サンスポ「よいしょ……よいしょ……」
ワイ(さ、サンスポちゃんが、自分の社内でウィキペディアを相手にドリスイナイイナイの記事を書いている!?)
サンスポ「ふぅ……こんなものですかね……。もっと気持ち良くなってもらえるように頑張らないと……」
ワイ「サンスポちゃーん!」 バターンッ!
サンスポ「ひゃあッ!?」
ワイ「サ、サンスポちゃーん! ごめんよーッ! サンスポちゃんは毎日阪神ファンのために虎入り決断したかのような記事を書いてたのにワイはそんなことも知らずに……ッ!!ハフッ!ハフッ!ドリスの今期の防御率2.85!通算防御率は2.63!」
チノ「ど、ドサクサにまぎれて防御率を訂正しないでください!」
ワイ「ご、ごめんねサンスポちゃん……!」
サンスポ「べ、別に、防御率を間違えるくらい普通です……。それが私のお仕事なんですから……。それに、私はデイリーに比べて、あんまり読んでもらえないから」
ワイ「そ、そんなことないよ! サンスポちゃんのその気持ちだけでワイは十分熟考だよ! あっ、そ、そうだ! サンスポちゃんパソコン貸して!」
サンスポ「こ、こうですか?」
ワイ「そう! それじゃあ今からブログを更新するからね!ファンのやわらか脳ミソに問いかけするからね! ちゃんと受け止めてね!」
サンスポ「えっ、えっ?」
ワイ「んほーッ!みんな!まだ決まってないぞ!」カタカタカターッ!
サンスポ「ひゃあッ!」ビシャーッ
ワイ「くっ、ふぅ……! す、すっごいコメントが来たぁーッ!」
サンスポ「ほんとうです……で、でもなんで……?」
ワイ「それはね……サンスポちゃんの気持ちが、ワイに伝わったからだよ! サンスポちゃんの阪神を思いやる優しさがね!」
チノ「私のやさしさ……」
ワイ「そう! だから、年俸なんて、二の次なんだよ! FA移籍は、年俸や誠意を優先するより、自分のやりやすい環境で野球をするのが一番気持ちいいんだよ!」
サンスポ「じ、熟考って……はわわ……あ、あの……もうちょっとだけ、記事に付き合ってもらってもいいですか?」
ワイ「もちろん!」
その後、ワイは一晩中サンスポちゃんの取材構成に対応を続けて次の日の朝は起き上がれないほど疲弊していた。でもまぁ、その日以来、先発するときサンスポちゃんが一面で「虎入り決断」と記事を書いてくれるようになったので結果オーライ! 終わり
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